VMware Cloud Disaster Recovery
今回は、VMware Cloud Disaster Recoveryの紹介です。
VMware Cloud Disaster Recoveryですが、VMworld2020ですでに発表されました。
2020年7月に、DRaaSのサービス拡充に向け、Datrium社を買収しハイブリッドクラウド環境を横断する形でのDRaaSサービスが期待されていたわけです。
このサービスは、本年1月より東京リージョンにてサービス開始されました。
今年Q4までには大阪リージョンでのサービス開始もされるでしょうから、日本国内でのリージョン間DRなんてことも可能になるのかなと思っています。
さて、本題です。
VMware Cloud Disaster Recovery(VCDR)とは、簡単に言うとオンプレ環境のDR環境をAWS上に構築できるというサービスです。
オンプレ環境のDR先をVMwareCloud on AWSとして設定できます。オンプレ環境罹災時には、VMC環境にて利用継続するということです。また、VMC環境は予め構築しておくこともできますし、オンデマンドでの利用も可能です。つまり、DRサイトとしてのVMC環境を継続的に保持する必要はなく、維持コストもカットできるということになります。
日本は地震大国です。3.11以降DRへのニーズは高まりました。が、DRサイトの維持コストはITチームの頭を悩ませているところではないでしょうか。
メインサイトと同等(または必要最低限としても近しい)の構成を用意し、それの運用コスト。定期的なリプレース(あまりつかってないのに?)、遠隔地DCなどのコスト、接続のための回線費用などなど。
余談ですが、特にパブリッククラウドを意識した企業も多くありました。しかし、vSphere上で動作する現環境をそう簡単に移行もできないわけです。
そこで、DRサイトをいかに簡単に、導入しやすく、コストもできる限り抑えて、しかも運用や移行も容易にできるというメリットはうれしいのではないかと思います。
VCDRの特徴として、オンプレ側の準備などは不要です。オンプレ環境で動作する仮想マシンをAWS上に用意されたファイルシステム上に同期します。罹災時にはVMC環境にリストアされ、継続利用が可能となります。
VCDRの構成パターンは、大きく3つ想定されます。
また、デプロイの方式は2つあります。
RPO要求がそんなに高くない場合、オンデマンドにするとSCFSの利用料のみで維持でき、DR発動時もオンデマンド(使った分だけ課金)によるコストダウンが見込めます。
ユースケースとしては、単純なDRサイトの構築だけではなく、オンプレ環境のランサムウェア対策というケースも想定されます。
実際、天災などの被害よりもランサムウェアによる被害のほうがDR発動のトリガーとして件数が多いというデータもあるからです。
VCDRのリカバリポイントを指定し、指定のをリカバリすることも可能です。
VCDRの仕組みですが、オンプレ環境からAWS上のSCFSに永久増分バックアップが実行されます。その際、データ通信は暗号化され、またSCFS上では圧縮や重複排除されます。DR発動時は、VMC環境にデプロイされます。また、それらの管理はOrchestratorから行います。
機能的制限事項は、下記です。
以上、今日はここまで・・・