VMworld 2021
今年もやってきました。この時期が。
そして今年もオンライン開催です(泣)
10月ってなにかと忙しいんですよね・・・。
特にセールス1年生の4半期終わりってこんなにも忙しいのかと・・qazsx orz
開催時日程ですが、ちょうど遅れての夏季休暇中だったので、ゆっくり参加しました。
速報的なものはニュースサイトにお任せして、個人的に興味あったもの、、特にジェネラルセッションにフォーカスして紹介します。
まず、ラグーさん登場です。
少なくとも私がVMwareに関わるようになってから、毎年ここはPatさんが颯爽と登場するイメージしかなかったので、おーーそっかそっかという感じでした。
VMware社のこれまでの戦略を、チャプター1、2,3という形で紹介。
チャプター1で仮想化のリーダー、チャプター2でプライベートクラウドにおけるリーダーとしての役割を果たしてきており、そしてこれからチャプター3を見据えマルチクラウドのリーダーとしての役割としてリーダーシップを図ったいきたいと語ります。
まず、マルチクラウド戦略として、「VMware Cross-Cloud Services」が発表された。「現在の標準的なエンタープライズでは平均464個もの業務アプリケーションを使用しており、さらにパブリッククラウドを2つ以上利用する企業は75%、3つ以上でも40%に及ぶ」と現状を分析しており、そのために生じている課題がITインフラ、アプリケーション、業務環境の分散化、サイロ化だ。それぞれが分散しているため複雑な構成となり、その管理がお互いに分断されているためにサイロ化も生じています。アプリケーション開発者、IT管理者、ユーザーのいずれにとっても使いやすく効率的な環境ではないと説明。こうした顧客課題を解決するために、分散したマルチクラウド環境に一貫性をもたらす統合されたクラウドサービス群(SaaS群)を提供していく。これが、今回のVMworldで発表した「VMware Cross-Cloud Services」です。
VMware Cross-Cloud Servicesは、大きく5つのビルディングブロックにより構成される。クラウドネイティブアプリを構築/展開するための「アプリプラットフォーム」、エンタープライズアプリの実行/運用に対応する「クラウドインフラ」、異種混交のクラウド環境でアプリのパフォーマンスやコストを監視/管理する「クラウド管理」、マルチクラウド全体にまたがってアプリの接続性とセキュリティを提供する「セキュリティ+ネットワーク」、分散化された業務環境やエッジ環境を実現する「デジタルワークスペース+エッジ」です。ここには既存サービスも組み込まれています。
App Platform
Tanzuファミリーを中心としたKubernetesプラットフォーム
Cloud Infrastructure
VMware Cloud や vSphereなどアプリケーションが実行されるインフラストラクチャ
Cloud Management
マルチクラウド利用時のコスト管理やセキュリティを統合管理するためのサービス
Security + Networking
NSXやサービスメッシュなどデータセンターネットワークにおけるセキュリティを高めるための製品群
Anywhere Workspace + Edge
Workspace ONE / Carbon Black / VMware SASEによる "分散された" 従業員職場環境からのアクセス
VMware Cross-Cloud Servicesの特徴を大きく2つ挙げて、1つはモジュラー型の構成により、顧客が任意のクラウド上で最適なサービスを採用できる高い柔軟性を備えていること。もう1つが、大規模なエンタープライズからクラウドネイティブな新興企業まで、あらゆる企業に対して価値が提供できるということ。現在のマルチクラウド環境ではあらゆる場面で柔軟性とコントロール性の「どちらか(OR)」を選択しなければならないが、ヴイエムウェアのアプローチではこれを「どちらも(AND)」選択できるように変えられるとのこと。
つづいて、各テーマに合わせた発表がされたのですが、個人的に興味があったのは2つ。
1つめは、Tanzu Community Edition の提供開始
Kubernetesの学習者やユーザー向けにTanzuソフトウェアを無償提供する「VMware Tanzu Community Edition」を発表。Webサイトから個人情報の登録なしでダウンロードすることができるパッケージとのことで、利用期間や利用用途などの制限はなく、数分程度でインストール/構成が可能らしい。
これまでは、検証や学習のために製品版が必要だったけど、よりユーザ目線での戦略なのかなと感じた。
2つめは、Tanzu Application Platform *β フェーズ2 の開始
Kubernetes環境へのアプリケーションのデプロイ時に必要となる作業を効率化するためのリリースで、アプリケーション開発者側がインフラとしてのKubernetesプラットフォームに精通していなかったとしても、コードからイメージの生成、スキャンなどまでを自動的に行ってくれるような開発者・IT管理者双方にとって理想的な開発プラットフォームを提供してくれるものとなるとのことで、現在はベータが走っておりこれのフェーズ2が開始されたことが発表ということです。
続いて、Cloud Infrastructure
まず、ハイブリッド/マルチクラウド環境で柔軟にヴイエムウェア製品(VMware Cloud Foundation、VMware Cloud)を活用できるサブスクリプション型契約「VMware Cloud Universal」が拡張された。
次に、NSX Advanced Security機能統合。NSXの各セキュリティ機能がVMware Cloud上でも利用可能になるとのこと。VMware Cloud上においても、NSXによる分散ファイアウォールや分散IDS/IPS機能などのような高度なセキュリティ機能を用いてユーザーのワークロードをセキュアに保護することが可能になります。
また、いよいよというか、やっとというか、VMC on AWSが大阪リージョンでも提供されることが発表された。
そして、正直にいうと正体不明というか、結局なんだっけ?ってなったけど、
「Project Arcitic」というものが発表された。
コンセプトのみの説明で具体的な機能などは言及されてなかったように感じたが、
まぁ、要するにvSphereのSaaS版のようなものなんだろうか。
冒頭にあった、VMware Cross-Cloud Servicesのビジョンにおいて、中核製品のvSphereもSaaS化してしまおうということなのだろうが・・・。
そのほか、VMware Cloud上でKubernetesの標準インタフェースを使ってインフラ(IaaS)とコンテナ(CaaS)の両方を操作可能にする「Project Cascade」、DRAMや永続メモリ(PMEM)、NVMeといったさまざまなメモリティアをソフトウェア定義で構成可能にする「Project Capitola」、VMware Cloudの統合型制御プレーンとしてvRealize Cloud Managementサービス全体で単一のビューを提供する「Project Ensemble」が発表されています。
あと、
VMware SASE の機能拡張について。
大まかには、Cloud Access Security Broker (CASB)」と「Data Loss Prevention (DLP)」の2つの機能の拡張です。
これまでも、「URLフィルタリング」「コンテンツフィルタリング」「アンチマルウェア / クラウドサンドボックス」などの機能はありましたが、今回はより強化されたセキュリティの実装が可能となりますね。
最後に、VMware Edge Compute Stack の発表です。
製造業とか小売業とか、多くの拠点をもつ業種にニーズがありそうな製品です。
HCIアプライアンス上にVMware Edge Compute Stack をアプライアンス的に構成することでVMware SD-WANの機能などが有効になり、拠点間SD-WAN接続であったりVMware SASEに対してのSD-WAN接続などが可能になります。また、各拠点に対してクラウドネイティブなアプリの配信なども可能となります。
のVMware Edge Compute Stack 対応予定ハードウェアとしてDell EMC VxRail Dシリーズ や Lenovo ThinkSystem SE350 が発表されました。
この製品、かなり興味津々です。個人的に。
とまぁ、今日はここまで。